手足口病の薬は病院で処方される?抗生物質などの種類は?

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6月も早くも下旬にさしかかろうとしており、日に日に暑くなってきています。
6月は季節の上ではとっくに夏なのですが、
不思議なもので、7月が見えてきてやっと、「あぁ夏なのだな」と実感します。

ところで皆さんは、夏がもっとも感染症が流行しやすい時期であることをご存知ですか?

感染症、というとメジャーなものとして、インフルエンザが挙げられると思いますが、
実はインフルエンザが流行する初春に比べて、この6月から8月の夏の時期に、もっとも多くの感染症が流行しているんですよ。

そんな夏に流行する感染症のなかでも、もっとも認知度が高いと思われる手足口病は、患者の約9割が子供、それも5歳以下の幼児で占められており、
大人が感染した場合は、症状が重く出やすいといわれています。

今回はそんな手足口病にかかってしまった場合の薬の話についてのお話です。

手足口病にかかってしまって病院に行った場合、どのような薬が処方されるのか、
また、抗生物質などは効果があるのか、といった疑問を、一緒に解消していきましょう。


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手足口病に抗生物質は効かないというのは本当!?

感染症と言いますと、なんとなく抗生物質を飲めば大丈夫、といった認識がありますよね。
ところが、実はこれ、そうでもないんです。

その理由の前に、まずは感染症というものについて簡単にお話ししましょう。

手足口病を始めとした感染症というのは、その原因がウイルスと細菌に分けられます。
手足口病は、原因がコクサッキーウイルスとエンテロウイルスですので、ウイルス性の感染症に分類されるんですね。

そこで抗生物質のお話に戻りますが、
抗生物質は何を退治する薬なのか、思い出してみましょう。

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そう、抗生物質は細菌を退治する薬なんです。

勘のいい方はお気付きかと思いますが、
抗生物質は細菌のみを退治し、ウイルスを退治することはできません。
つまり、抗生物質はウイルス性の感染症である手足口病の治療には効果を発揮しない、ということです。

 

ウイルスと細菌の何が違うの!?

ウイルスと細菌、どちらも病気の原因になるものだし、同じようなもの、
と思われている方は多いかと思います。

ですので、ここでウイルスと細菌の違いについても学んでおきましょう。

抗生物質がウイルスに効果を発揮しないことの理由は、
ウイルスと細菌のサイズの違いにあります。

ウイルスは細菌に比べてサイズが小さく、個の細胞を持ちません。
細菌は個の細胞を持ち、それなりのサイズがあるため、単独で活動できるのですが、
ウイルスにはそれができません。

そのため、ウイルスが活動するためには、感染先の細胞を利用しなくてはならないんです。
つまり、ウイルスに感染した場合、そのウイルスは私たちヒトの細胞を利用して活動している、ということになります。

このように言うと少しコワイですが、逆に単独で活動出来ない分、その力はそれほどに強くはなく、
感染したとしても、そのウイルスのみで重症化することはほとんどありません。

それに対し細菌は、ヒトの細胞を利用しなくても活動できるため、
感染した場合、体内で非常に強い力を発揮します。

抗生物質が細菌に効果を発揮するのなら、大は小を兼ねる、でウイルスにも効果があるような気もしますよね。

ところが、今お話ししたサイズ感が少しやっかいで、
細菌は単独で活動しているので、攻撃がしやすいのですが、
ウイルスはヒトの細胞と一緒に活動しているため、ヒトの細胞を傷付けずに攻撃するのは不可能なんですね。

手足口病に抗生物質が効かないのには、このような背景があったんですね。

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ただし、医師によっては、手足口病であっても
アンピシリンやサワシリンなどの抗生物質を処方することがあります。
これは、病気による体力の低下で細菌の感染を防ぐためです。

体力が落ちている時というのは、新たなウイルスや細菌に感染しやすい時ですから、
そういった可能性に備えての処方、という意味なんですね。

 


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手足口病の薬はないの!?

手足口病には、抗生物質が効かないだけでなく、ワクチンや専用の薬も存在しません。

これは、手足口病を引き起こすエンテロウイルスやコクサッキーウイルスに、あまりに多くの種類が存在していることが原因です。

インフルエンザウイルスで考えてみましょう。
インフルエンザウイルスはA型、B型、C型の3種類でしたね。

それに対し、エンテロウイルスとコクサッキーウイルスには、合計10種類以上のタイプが存在します。
どのウイルスタイプにも対応できる特効薬やワクチンを作るのが難しいであろうことは、
薬に詳しくなくても分かりますよね。

 

手足口病の治療はどうやって行うの!?

抗生物質も効果がなく、特効薬やワクチンも存在しない手足口病の治療は、
症状に合わせた対処療法が中心です。

つまり、現在の症状を緩和する薬を使用して、自然治癒を待つ、という形ですね。

では、具体的にどういった薬が処方されるのか、症状別に見ていきましょう。

 

■発疹の場合
手足口病の症状として代表的なのが発疹です。

手足口病に感染すると、その名の通り、手のひらや足裏、足の甲、口中に発疹が見られます。

便宜上、手足にできるものを発疹、口中にできるものを口内炎としましょう。

手足の発疹はかゆみをともない、かきすぎて潰してしまうと、
かき潰した部分やかいた指からウイルスが拡散し、感染を広げてしまう恐れがあります。

そのため病院では、炎症を抑える抗炎症剤を処方されます。
抗炎症剤というと、ステロイド剤(副腎皮質ホルモン)が思い浮かぶかと思いますが、
ステロイド剤はウイルスの増殖を招き、症状が悪化する可能性があるため、
手足口病の場合は抗ヒスタミン剤が処方されます。

 

■口内炎
手足口病でもしかしたら最もつらいのが口内炎かもしれません。

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口内炎は、手足の発疹に比べてかゆみが強く、また痛みをともなうことも多いため、
食欲不振や水分摂取量の低下につながり、
結果として体力ダウンにつながってしまいます。

ですので、口内炎はもっとも早く治療したい症状と言えるかと思います。

口内炎の治療はその重さに応じて、多少変わります。

症状が軽ければ、イソジンなどのうがい薬で口内の消毒を行う場合があります。
症状がやや重い場合には口内炎治療薬や、口内炎パッチなどが処方されます。

 

■発熱
手足口病に感染した場合、必ずではありませんが、37~38度程度の熱が出ることがあります。

発熱がありますと、カロナールやアルピニーなどの解熱剤を処方する病院が多いです。
とはいえ、基本的に解熱剤は38.5度以上の発熱で使用することが勧められるため、
手足口病の場合、発熱があっても元気であれば飲まずに置いておき、38度程度でもぐったりしていれば飲む、というスタンスで大丈夫です。

 

市販の薬ではダメなの?

確かに、解熱剤以外は、なんとなく市販の薬で対処できそうなイメージではありますよね。

もちろん、市販の薬で対処できないわけではありません。

ですが、手足口病は本当にごく稀に、脳炎や髄膜炎といった中枢神経系の病気を引き起こすことがありますから、
用心のためにも、まずは病院に受診し、医師の判断に従って薬を処方してもらう方が良いでしょう。

また、病院で処方箋を貰った場合、薬品の値段の3割が保険で負担されますので、
その方が安上がりでもあります。

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市販の場合でも、うがい薬が1,200円程度、口内炎治療薬が500円程度、抗ヒスタミン剤の塗り薬が800円程度と比較的安価ではありますが、
そこから3割負担で計算すると、やはり処方箋を書いてもらった方がいいですよね。

抗生物質は市販では購入できませんが、
保険が適用されれば5日分で1,200円程度です。

合併症の予防が1,200円でできるなら、安いものではないでしょうか。

 

この記事のまとめ

いかがでしたか?

手足口病は、症状こそそれほど重くありませんが、
対処療法による治療しかできない、少しやっかいな病気ですので、
どういった薬が必要かは正しく知っておきたいものです。

夏は海にプール、花火大会やお祭り、と楽しみなイベントがたくさんありますから、
正しい知識で手足口病とうまく付き合い、できるだけ楽しく健康に過ごしましょうね。

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