インフルエンザは風邪と誤診されやすい?同時に併発する事も?
インフルエンザと風邪はとても症状が似ている病気なことは多くの人がご存知でしょう。
咳やくしゃみ、のどの痛み、発熱…似ている病気なだけに、
インフルエンザと風邪を取り違えて誤診するのではないかと心配になります。
それ以上に、誤診だけでなく併発して症状が重くなるのではないかという懸念もあります。
インフルエンザと風邪は同時に併発したり、誤診されたりすることはあるのでしょうか?
冬場に怖いインフルエンザと風邪についてまとめました。
インフルエンザと風邪は同時に併発する?
インフルエンザと風邪は原因が違う
冬場になると、インフルエンザ流行の季節とも風邪シーズンとも言えるほど、
インフルエンザも風邪も感染している人を見かけますね。
咳やくしゃみを始めとして、のどの炎症と痛み、発熱、鼻水ととてもよく似た症状を
起こすインフルエンザと風邪は、併発することがあるのでしょうか。
そもそも、インフルエンザと風邪は似ているものの、原因となるウィルスの種類が違う病気です。
インフルエンザはインフルエンザウィルスという単一のウィルスが原因で起こる病気ですが、
ウィルスの変異や亜種の発生がとても早く、現在A型B型C型合わせて200種類以上もの
亜種が確認され、新型の亜種もよく発見されています。
一方で風邪はのどや鼻などの上気道にウィルスが取り付いて起こる急性上気道炎の総称であり、
原因となるウィルスはライノウィルス、アデノウィルス、コロナウィルスといったさまざまな
種類のウィルス数百種類によって引き起こされます。
気付かずに併発していることもある
インフルエンザと風邪は原因のウィルスの種類が違いますが、
ウィルスという点では同じことから併発はしないのでしょうか。
確認されることはあまり多くはないですが、体力の多くない
乳幼児や高齢者では、いくつか併発を確認したとの報告があります。
検査をしてインフルエンザと診断されて薬も効いて熱が下がったはずなのに、
なぜか肺炎を起こしたという症例があります。
これはインフルエンザの症状に隠れて別のウィルスにも同時に感染していて、
治療でインフルエンザは落ち着いたものの風邪のウィルスは体内で肺炎になるほどゆっくりと活動していたのです。
ですが、多くの体力がある大人はインフルエンザと風邪を併発していても、
インフルエンザと一緒に風邪も治ってしまうので気付かないことが殆どです。
病院で誤診を受ける可能性はあるの?
インフルエンザの検査は精度が高く誤診は少ない
インフルエンザと風邪が併発することもあるということもある中で、
病院でインフルエンザと風邪で誤診することはあるのでしょうか。
現在、日本国内で導入している綿棒で鼻の奥の粘膜を使っての検査は、
適切な状況で検査した場合は「インフルエンザに感染しているかどうか」
感染しているのならば「A型とB型のどちらか」を確認が出来ます。
亜種や新型など細かいことは判別できないものの、
感染も有無とおおまかな型の判別は80~85%の精度を誇っているのです。
この検査ではインフルエンザから12時間以上経って十分にウィルスが増えていなかったり、
発熱が落ち着いてウィルスが減った状態では検出できなくなるため、
完全に誤診はないとは言えませんが、診察と検査を合わせて相当高い確率で正確に診断されます。
問診のみは誤診の可能性があることも
インフルエンザの誤診に関して、多くの場合はウィルスが少なくて検査で
検出できなかったことよりも、検査をせずに問診のみで終わらせた場合が圧倒的に多いと言われています。
鼻の粘膜を採取してインフルエンザを判定する検査は2001年ごろと近年に普及し出したために、
一部の医師は必要性を感じない、検査自体に懐疑的であるといった検査を行わない方針を掲げていることもあります。
確かに2001年以前は検査自体行われていなかったために、検査にあまり好意的ではない
人がいるのも仕方ありませんが、問診だけではどうしても誤診の確立は上がってしまいます。
もし検査をしないで診断がなされた場合には、その場で検査をお願いするか、
別の病院で検査をしてもらうほうが誤診を防げるでしょう。
インフルエンザと風邪の見分け方は?
症状からのインフルエンザと風邪の見分け方
病院で検査をすればインフルエンザかどうか診断してもらえますが、
病院に行く前にインフルエンザが風邪かを見分ける方法がわかれば、治療の準備や心持も変わりますね。
インフルエンザと風邪では、どのような見分け方があるのでしょうか。
通常、まずのどの痛みや咳、鼻水やたんが出始め、
それから36度台から37度後半までじわじわと体温が上がります。
風邪の種類によっては、鼻やのどだけでなく胃痛や
下痢などの消化器官にも症状が現れることもあります。
ですが、インフルエンザは寒気や強い全身の倦怠感を感じたかと思うと、
急激に体温が上がりいきなり37度後半や38度台、またはそれ以上の発熱が起こります。
また、インフルエンザは初期に咳やくしゃみ、
鼻水が出ることは少なく、熱が下がりだしてから顕著に現れます。
判断が付きにくいことも
ごくまれにインフルエンザと風邪の見分けが付きにくいときが例外的にあります。
それは、インフルエンザワクチンの予防接種をうけ、
体内にインフルエンザへの抗体が作られているものの感染した場合です。
たまたま体調を崩したり、体力が落ちていたときにインフルエンザウィルスに感染したものの、
予防接種のワクチンのおかげで抗体が出来ていて症状がとても弱くしか出ないことがあり、
基礎体力が旺盛な大人の場合、気付いたときには体力とその時の免疫力だけで治りかけていると言うこともあるそうです。
まとめ
インフルエンザと風邪は、気付かないうちに併発して治っていることがあります。
現在使われているインフルエンザ検査は精度が高く、誤診の確立はかなり低いのではないのでしょうか。
インフルエンザと風邪は症状の出方が違うため、おおまかな見分けがつくでしょう。